慢性疼痛に対するCRISPR/Cas9遺伝子編集:Nav1.7とその先へ
CRISPR/Cas9 Gene Editing for Chronic Pain: Targeting Nav1.7 and Beyond
JOURNAL
Trends Neurosci
Trends in Neurosciences
YEAR
2021
IMPACT FACTOR
15.6
ジャーナル IF
CITATIONS
124
被引用数
AUTHORS
Park SH, Bao G
OVERVIEW — 概要
CRISPR/Cas9は前例のない精度で疼痛関連遺伝子を標的とする遺伝子編集技術であり、慢性疼痛の根治的治療への応用が期待されている。本レビューはNav1.7(SCN9A)・TRPV1・P2X3・CGRP受容体など検証済みの疼痛標的へのCRISPR/Cas9適用の可能性と課題を包括的に検討している。
CONCLUSION — 結論
CRISPR/Cas9によるNav1.7ノックアウトは先天性無痛症の遺伝的根拠に基づく最も有望な慢性疼痛治療標的であり、DRGへの局所適用で全身副作用を最小化できる。オフターゲット効果・免疫原性・倫理的問題の解決が臨床応用への主要な課題であり、2025〜2030年の第I相臨床試験が計画されている。
主要な知見
Nav1.7(SCN9A)ノックアウトは先天性無痛症の遺伝的根拠に基づく最有望標的
DRGへのAAV-CRISPR局所注入でオフターゲット効果を最小化しながら高効率編集が可能
TRPV1・P2X3・CGRP受容体もCRISPR標的として前臨床段階で有望な結果
オフターゲット効果(全ゲノムの0.1%未満)・免疫原性が臨床応用の主要課題
2025〜2030年にNav1.7標的CRISPR治療の第I相臨床試験が複数計画中
Dr.Pain のコメント
CRISPRで痛みの遺伝子を切る—SFの世界が現実になりつつあります。先天性無痛症の人はNav1.7遺伝子が機能しないために痛みを感じない。これを逆手に取って、慢性疼痛患者のDRGのNav1.7を選択的に編集する。倫理的課題はありますが、根治的治療への道筋が見えてきました。
臨床的示唆
CRISPR/Cas9による慢性疼痛治療は研究段階だが、難治性慢性疼痛患者への将来的な根治的治療として情報提供を行う。Nav1.7阻害薬(小分子)の臨床試験が先行しており、その結果がCRISPR治療の方向性を示す。
アブストラクト(原文)
CRISPR/Cas9 gene editing technology offers unprecedented precision for targeting pain-related genes. This review examines the application of CRISPR/Cas9 for chronic pain treatment, focusing on Nav1.7 and other validated pain targets, discussing both opportunities and challenges for clinical translation.
MeSH TERMS
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